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51、音声訓練、負の回路駆逐

始めはちょとした違和感だったかもしれない。
症状が長引く中で、解消しようといろんなことを試みているうちに、その人の中で詰まるというのがスタンダードな発声という負の回路ができてしまったのではないだろうかということを書いた。
症状の重い人は、吐く息から音にした途端に詰まってしまうので、その境目を意識させないように、まるで騙すように移行させたい。

とにかく意識すると詰まるので、ダメなものは深追いせずに次から次に色々なことを試してみることにしている。
笑い声とか、腹筋だけで声を押し出すこととか、ストレッチと連動させるなど。
また単語が長くなると詰まる確率も多くなるので、一音での呼びかけなどもストレスが少なく練習できる方法だと思う。
たとえば、鈴木さんは『すーさん』橋本さんは『はーさん』というように。
アトランダムに詰まりが出てくることもあるが、そういう時は、イントネーションや強弱を変えて発声してみる。デタラメな雰囲気中国語みたいな感じだ。
とにかく、思いつく限り様々なバリエーションで試してみる。
負の回路ができあがる前に別のことを試して、スルッと出たいい感触だけを残して、徐々に負の回路を駆逐していきたい。
この延長で、『ミーちゃん』とか『チイちゃん』という名前を、おもいっきり可愛くいってみるとか、ありえない裏声で発声してみるなどというのもいいと思う。既に喉頭を動かす訓練につながっている。

最近したトレーニングの中で、ある患者さんは、『おい、キタロー!』『何だい?父さん』というセリフで、声色を変えて発声することにはまってくれた。
ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじと鬼太郎の会話だ。
『おい、キタロー』は、誰でも思い描ける裏声の定番。
『なんだい、父さん』は、自然な地声の発声だ。
喉頭2型の手術のあと、音声訓練中心の治療に来てくださっている患者さんだが、この短いセリフは、楽しみながらとても自由に発することができて、患者さんにとっては、特に鋭い裏声は安定して発声できるという発見につながった。
そういう発見があるとそれがきっかけとなって新たな良き回路が一つつながるのだと思う。多分。いや絶対に。
良いイメージはたくさん味わって身体にしみこませ、悪い感覚はさっさと忘れるぐらいの気持ちでいたい。悪い時は必ずやってくるが、ずっと悪いままではない。必ずまたいい時が巡ってくるし、一度得たいい感覚は必ず再現できるし繰り返すうちに確実になる。

次回は、音階練習について。