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11、代替医療の可能性

音声の専門医めぐりを頻繁に繰り返しながらも、状況打開の糸口を見つけられず、閉塞的な状況に陥っていた私は、徐々に代替療法の門をたたき始めた。

鍼灸、按摩、マッサージなど国家資格の治療から、オステオパシー、ホメオパシー、カイロプラクティック、アロマセラピー、整体、外気功などの民間施療や湯液(漢方薬)。
ボディワークと呼ばれるニューエイジ系の心身統合のワーク、実際に身体に働きかけるものからエネルギーワーク、呼吸法や身体の使い方、ボイストレーニングなどエクササイズ系のワークまで、自分のアンテナに触れたものは手当たり次第に試してみた。

これらの施療やワークは、病に対する考え方も治療の根拠とするところもアプローチの仕方も、西洋医学とは大きく異なる。
種類は星の数ほど存在するが、同じジャンルの治療法でも治療家によってその患者のどこに注目するかも様々で、西洋医学で言うところの治療ガイドラインのようなものはほとんど存在しない。
治療者自身の経験や技量によるところが大きく、同じ治療法でも診たてやアプローチの仕方は無数にあり、治療法を総括して評価することは難しい。

はじめは、ともかく何らかの変化がほしくて手当たり次第に試していたが、徐々に上記のような特徴が見えてきた。
そして、症状に顕著な変化はなくても、身体の片寄った使い方やそうしていた心理的な背景について、なるほどと思えることも多かった。
治療法を通してその症状を持っている自分をみていく中で気がついたことがあり、その気づきが結果的に私自身にとって有効な方法を示してくれた。

痙攣性発声障害を始め、発声障害を患っている患者さんは、自分の状態を熱心に観察していらっしゃる方が多い。
話を伺う中で、その方なりの症状に対する分析や対処法など、なるほどと思えることがたくさんあり、治療の参考にさせてもらっている。
未だ明確な治療ガイドラインを作りにくい代替医療の治療ではあるが、だからこそ個々の体験を共有する場が必要ではないかと感じている。

ここでは、私という個体に有効であった体験と、許しを得た患者さんの体験を記していきたい。
詳細に記していく中で、何らかの治療ガイドラインに成り得るものが見えてくれば嬉しいし、それが実現できなくても何らかの助けになれば幸いと思う。